2009年05月05日
比嘉ブラザーズ

満を持して比嘉ブラザーズ登場!!
ハリウッドでSFXを学び、メジャー映画デビューを果たしながらも、
帰国。都会ではなくあえて沖縄で拠点を構え、
自分たちの信じる道を貫く彼らにその思いを訊いた。
仕事のきっかけとなったものは
一哲 小さい頃毎日、粘土でおもちゃを作って遊んでましたね。それと漫画好きで手塚治虫先生などの漫画をよく読んでいて、漫画家になりたいと思っていました。だから、漫画や粘土遊びがこの仕事のきっかけになったといえるかも知れませんね。
之典 その後、映画「シンドバット」や「おかしなおかしな石器人」などを見て、人形アニメーションというものがあることを知り、中学校1年の頃には、中子真治さんという方がアメリカで現地取材した映画の裏方さんを紹介する本と出会い、SFXのことを知って、それからは寝ても覚めてもSFXのことばかり。
一哲 だから、周りのみんなは部活をやっていたんですが、僕らは、夢中でSFX関係の本を探しだしては読み、人形アニメを見て研究し、家のビデオで映画作りの真似事をしていました。その頃は材料も情報もなくて、同人誌の「譲ります」のコーナーや通販で材料を調達したりしていましたね。
之典 1ヶ月くらいかかって、怪獣の顔を作ったのに、石膏が固まらなくて無駄にしたり、失敗もいろいろありました。試行錯誤の繰り返しです。
一哲 中学高校とそんなことばかりやっていたので、卒業したらどうする?ってことになったんです(笑)。
映画の都ハリウッドへ
之典 高校を卒業して1年間バイトしたお金でアメリカに行き、英語を学びながら、自分たちの作品をスタジオに持っていって見てもらっていました。片言の英語でしたが、作り手は作品を見れば気持ちがわかってくれる部分があって、次々にスタジオを紹介してくれたりしてネットワークが広がっていったんです。
一哲 それでスクリーミングマッドジョージさんのところで2年程お世話になって、その後、「おかしな石器人」の恐竜を作ったデービッドアレンさんが声をかけてくれて一緒に仕事をすることができました。夢のようでしたね。時代的にはジュラシックパークなどが作られている頃で、CGに移行し始めていました。ですから、行く先々でビジネスを学べとか、コンピュータを学べとかということも言われましたが、僕たちはこれがやりたいんだということを強く言ったことを覚えています。

時を超える人形アニメへの情熱
之典 友人に呼ばれて98年の末頃まで東京で仕事をしていましたが、僕たちには沖縄の民話の「鉄の子カナヒル」を人形アニメ映画にしたいという思いがあって、東京で仕事していてもそれが気になって、頭から離れないんです。それで沖縄に戻ってすぐにとりかかったんですが、制作に9年もかかってしまいました(笑)。なにしろ、資金も人手もないので、ほかで仕事をしながらその給料を資金に当て、家族にも手伝ってもらいながら。でもハリウッドでもこの手の映画は4〜5年かかるんですよ。
一哲 2007年完成した「鉄の子カナヒル」は桜坂セントラルさんの協力で、去年1年間いろいろな市町村で上映会をさせていただきました。また、県立博物館では儀間先生の個展に合わせて上映会をさせていただきました。
近況とこれから
一哲 最近ではRBCさんから沖縄のホームソングの「ガジマルオジー」や「琉神マブヤー」の話をいただいたり、芸大の非常勤の講師として、フィギア造りを教えたり、桜坂セントラルでワークショップを開催したりと自分たちがやっていることが少しずつ認められてきたのかなと感じています。それと、いくつかつくりたい映画があって、現在構想中です。東京に負けないものを作りたいですね。
之典 映画だけでなく、フィギアやイラストなどを芸大やワークショップなどで教えているのも沖縄の若い人たちに育って欲しいから。層が厚くなることで沖縄でもしっかりしたものづくりができるようになると思います。また、去年あたりから沖縄のアーティストの方とも交流を持つ機会が増えていて、これからお互いに協力し合って何かができるんじゃないかと思っています。
【プロフィール】
沖縄県読谷村出身。特撮の神様レイ・ハリーウンゼンの「恐竜100万年」「シンドバッド」シリーズ、デビッド・アレン、ジム・ダンフォースらの「おかしなおかしな石器人」などの人形アニメーションに多大な影響を受ける。高校卒業後SFXの仕事を夢見てアメリカに留学し、念願のデビッド・アレンの下で働く。97年帰国、東京で「学校の怪談」などのSFXに携わった後、沖縄へ戻り、映画「鉄の子カナヒル」を制作。2007年RBCオキナワのホームソング「ガジマルオジー」、2008年「あぱぴあぽん」の人形アニメ担当。
※SFXとは、特殊撮影を意味する略語。映画やテレビの撮影などで用いられる人為的に作りだした特殊効果のこと。
投稿者 breakjp : 2009年05月05日 11:55