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巻頭インタビュー写真

●おめでとう、三役格にスピード昇進 ! !●
「にいし〜○○、ひがあし〜○○」と相撲の取り組みの前に力士を土俵へ呼び出す「呼び出し」の琴ニさんは沖縄出身。異例の昇進で秋場所から「三役格」に。その喜びの声をきいた。
(写真提供:財団法人日本相撲協会)

PROFILE

1959年生まれ、那覇市出身、本名:上江田勝二 興南高校を中退、力士を目指し、佐渡ヶ嶽部屋へ。身長が足りず力士を断念、呼び出しとしての修行を始め、勤続25年目で、「三役格」に昇進。「三役格」は、小結から大関までを呼び出す大役で異例のスピード昇進となった。

巻頭質問1
琴二 もともとは力士になりたくて、高校を途中でやめ、佐渡ケ嶽部屋の門をたたいたんです。でも、身長が足りなくてね、それでも背が伸びたら相撲とりにしてやろうと言ってくれて、雑用をこなしながら一年半ほど置いてもらったんですよ。でも、身長は伸びなくってね(笑)、力士になる夢はあきらめざるえなかった。がっかりしているところへ親方に、呼び出しをやってみないかと声をかけてもらって、とにかく相撲と関わっていたくてこの世界へ入ったんですよ。
巻頭質問2
琴二 力士を呼び出すだけが呼び出しの仕事じゃないんですよ。土俵づくりや太鼓を叩くのも呼び出しの仕事。そして、部屋では朝五時に起き、洗濯や給仕、風呂の世話と毎日がハードスケジュール。下積み時代は、それの繰り返しで厳しいですから、どんどん人がやめていくんですよ、自分もツライと思うこともありましたけど、相撲がどうしようもなく好きなんですよ、だから頑張れたんでしょう。それに僕はね、生まれた時から相撲に縁があるんですよ。僕の本名は勝二っていうんですけど、花田勝二(若乃花)さんの名前からとったものでね、親父が相撲好きでつけてくれたんです。そんなこともあって、相撲からは離れられない運命なんだと思います。
巻頭質問3
琴二 自分でも信じられないですね。本当にすごくうれしいし、ありがたいことです。「三役格」になるには勤続30年以上でなければならないんですが僕はまだ25年、諸先輩方の推せんや後押しを受け、理事会が承認、昇進が決まったんです。とにかく僕はいい先輩に恵まれ、可愛がられたんですよ。何も知らなかったから、先輩方の話をよく聞き、素直についていったのが良かったんだと思います。今となっては、力士になれなくて良かったかもしれないと思っていますよ。呼び出しだと定年の65歳まで、ずっとこの世界にいられるんです。力士になったら、どの位いられたかわからないですからね。また、今回の昇進では、周りの方も大変喜んでくださって、親方が発起人になってパーティーまで開いてくれるんです。呼び出しの昇進でパーティーを開いてもらうなんて、聞いたことないですよ。本当にありがたいことで、私は幸せ者ですよ。
巻頭質問4
琴二 緊張しますね、相撲は三六○度が会場でしょ、四方八方から視線を感じるんですよ。そうそう、これまでは声だけでTVに映ることはなかったんですけど、今回からはTVにも映るので、親や親せき、友達が喜んでますよ。。
巻頭質問5
琴二 もちろん、「立て呼び出し」ですね。「三役格」は大関までしか呼び出せないんです。横綱を呼び出せるのは「立て呼び出し」だけ、今回、与えられた「三役格」の大役をキッチリこなして、いつか横綱の呼び出しを努められるようになりたいですね。また、今は土俵づくりも監督という立場なので、責任が重くなり、プレッシャーもかかりますが、頑丈な土俵づくりを心がけていきたいと思っています。すべてにおいて、自信をもちながらも、自信をもちすぎずに、これから精進していきます。また、これは目標とは関係ないんですが、相撲の世界にも沖縄の子が増えるといいなと思っています。今のところ、呼び出しでは僕一人ですし、行司や床山さんにもいないようですから。力士には若い子が何人かいて、時々、焼き肉食べに行って話をしたりして、将来を楽しみにしてるんですよ。
巻頭質問6
琴二 そりゃ、もちろん力士になりますよ(笑)。小さい頃からの憧れですからね、でも、それは現実的ではないので、呼び出しでいい声を出すことに専念しますよ(笑)。
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